日本が世界に勝るのはアジリティ

サッカー選手の肉体

サッカーを語るとき、よくフィジカルという言葉が用いられます。日本語で身体能力と訳されますが、本来はより細かく分類すべきもので一括りにしにくいのが本当のところです。日本人サッカー選手は外国人選手にフィジカルで劣る、そう言い切ってしまうと本質を見失う可能性があります。日本人選手が身長やパワーで外国人選手に劣っているのは概ね事実と言えますが、フィジカルの中には日本人選手の方が勝っている部分もあるのです。

そのひとつがアジリティです。一般的には敏捷性と訳されます。すばしっこさと表現すると分かりやすいでしょう。日常生活ではあまり使われない言葉なのでやや想像しにくいですが、日本代表の国際試合ではアジリティが発揮されている場面をよく見かけます。特にわかりやすいのが小柄な選手のドリブルで体の大きな相手選手に対し、その脇の下に潜り込むようにすり抜け、スピードで振り切ってしまう。こんなシーンは、日本人選手がアジリティで相手を上回った瞬間です。まず細かなステップワークを発揮して相手を眩惑し、抜けると判断したら瞬間の踏み出しで相手を振り切る。こうした俊敏な運動機能は体が大きくパワーがあると逆に難しくなるため、体格の小さい日本人選手の方が得意としています。アジリティは体の向きを反転する際にも使われ、一度抜かれた日本人DFが素早く反転して再度ディフェンスに入ることも可能にします。

このように、フィジカルとひとくちに言っても一様ではありません。アジリティのような日本人が勝る部分を活かしていけば、屈強な外国人選手とも対等に戦えると理解しておきましょう。